Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かのように

阿部一族・舞姫

森 鴎外

Lisez 阿部一族・舞姫 (かのように) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 875 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

と云った。

下島は面色が変った。「そうか。返れと云うなら返る。」こう言い放って立ちしなに、下島は自分の前に据えてあった膳を蹴返した。

「これは」と云って、伊織は傍にあった刀を取って立った。伊織の面色はこの時変っていた。

伊織と下島とが向き合って立って、二人が目と目を見合わせた時、下島が一言「たわけ」と叫んだ。その声と共に、伊織の手に白刃が閃いて、下島は額を一刀切られた。

下島は切られながら刀を抜いたが、伊織に刃向うかと思うと、そうでなく、白刃を提げたまま、身を飜して玄関へ逃げた。

伊織が続いて出ると、脇差を抜いた下島の仲間が立ち塞がった。「退け」と叫んだ伊織の横に払った刀に仲間は腕を切られて後へ引いた。

その隙に下島との間に距離が生じたので、伊織が一飛に追い縋ろうとした時、跡から附いて来た柳原小兵衛が、「逃げるなら逃がせい」と云いつつ、背後からしっかり抱き締めた。相手が死なずに済んだなら、伊織の罪が軽減せられるだろうと思ったからである。

伊織は刀を柳原にわたして、しおしおと座に返った。そして黙って俯向いた。

柳原は伊織の向いにすわって云った。「今晩の事は己を始、一同が見ていた。