Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かのように
阿部一族・舞姫
Lisez 阿部一族・舞姫 (かのように) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 875 caractères · 141 écrans
子爵は袴を着けて据わって、刻煙草を煙管で飲んでいたが、痩せた顔の目の縁に、皺を沢山寄せて、嬉しげに息子をじっと見て、只一言「どうだ」と云った。
「はい」と父の顔を見返しながら秀麿は云ったが、傍で見ている奥さんには、その立派な洋服姿が、どうも先っき客の前で勤めていた時と変らないように、少しも寛いだ様子がないように思われて、それが気に掛かった。
子爵は息子がまだ何か云うだろうと思って、暫く黙っていたが、それきりなんとも云わないので、詞を続いだ。「書物を沢山持って帰ったそうだね。」
「こっちで為事をするのに差支えないようにと思って、中には読んで見る方の本でない、物を捜し出す方の本も買って帰ったものですから、嵩が大きくなりました。」
「ふん。早く為事に掛かりたかろうなあ。」
秀麿は少し返事に躊躇するらしく見えた。「それは舟の中でも色々考えてみましたが、どうも当分手が著けられそうもないのです。」こう云って、何か考えるような顔をしている。
「急ぐ事はない。お前のは売らなくてはならんと云うのでもなし、学位が欲しいと云うのでもないからな。」一旦こうは云ったが、子爵は更に、「学位は貰っても悪くはないが」