Classiques japonais avec furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lisez 阿部一族・舞姫 (かのように) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 875 caractères · 141 écrans
二十三日は晴天であった。堺へ往く二十人の護送を命ぜられた細川越中守慶順(えっちゅうのかみよしゆき)の熊本藩、浅野安芸守茂長(あきのかみしげなが)の広島藩から、歩兵三百余人が派遣せられて、未明に長堀土佐藩邸の門前に到着した。邸内では二十人に酒肴(しゅこう)を賜わった。両隊長、小頭は大抵新調した衣袴(いこ)を着け、爾余(じよ)の十六人は前夜頂戴した絹服を纏った。佩刀は邸内では渡されない。切腹の場所で渡される筈である。
一同が藩邸の玄関から高足駄(たかあしだ)を踏み鳴らして出ると、細川、浅野両家で用意させた駕籠(かご)二十挺を舁(か)き据えた。一礼してそれに乗り移る。行列係が行列を組み立てる。先手(さきて)は両藩の下役人数人で、次に兵卒数人が続く。次は細川藩の留守居馬場彦右衛門、同藩の隊長山川亀太郎、浅野藩の重役渡辺競(きそう)の三人である。陣笠小袴(こばかま)で馬に跨(またが)り、持鑓(もちやり)を竪(た)てさせている。次に兵卒数人が行く。次に大砲二門を挽(ひ)かせて行く。次が二十挺の駕籠である。駕籠一挺毎に、装剣の銃を持った六人の兵が附く。二十挺の前後は、同じく装剣の銃を持った兵が百二十人で囲んでいる。