Classiques japonais avec furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lisez 阿部一族・舞姫 (かのように) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 875 caractères · 141 écrans
介錯人の小坂は少し慌(あわ)てたらしく、西村がまだ右へ引いているうちに、背後から切った。首は三間ばかり飛んだ。
次は池上で、北川が介錯した。次の大石は際立った大男である。先ず両手で腹を二三度撫(な)でた。それから刀を取って、右手で左の脇腹を突き刺し、左手(ゆんで)で刀背(とうはい)を押して切り下げ、右手に左手を添えて、刀を右へ引き廻し、右の脇腹に至った時、更に左手で刀背を押して切り上げた。それから刀を座右に置いて、両手を張って、「介錯頼む」と叫んだ。介錯人落合は為損(しそん)じて、七太刀目に首を墜した。切腹の刀の運びがするすると渋滞なく、手際の最も立派であったのは、この大石である。
これから杉本、勝賀瀬、山本、森本、北城、稲田、柳瀬の順序に切腹した。中にも柳瀬は一旦左から右へ引き廻した刀を、再び右から左へ引き戻したので腸(はらわた)が創口から溢(あふ)れて出た。
次は十二人目の橋詰である。橋詰が出て座に着く頃は、もう四辺(あたり)が昏(くら)くなって、本堂には燈明が附いた。
フランス公使はこれまで不安に堪えぬ様子で、起ったり居たりしていた。この不安は次第に銃を執(と)って立っている兵卒に波及した。