Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Lisez 陰獣 (いんじゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 968 caractères · 131 écrans
春泥はどこかにいる。そして、事件の底から蛇の様な目を光らせていたに相違ない。私は理窟ではなく、そんな風に感じないではいられなかった。だが、彼はどこにいるのだ。
私はそれを下宿の部屋で、蒲団の上に横になって考えていたのだが、流石肺臓の強い私も、この果しのない妄想にはうんざりした。考えながら、私は疲れ果ててウトウトと睡ってしまった。そして、妙な夢を見てハッと目が醒めた時、ある不思議なことを思い浮べたのだ。
夜が更けていたけれど、私は彼の下宿に電話をかけて、本田を呼び出して貰った。
「君、大江春泥の細君は丸顔だったと云ったねえ」
私は本田が電話口に出ると、何の前置きもなく、こんなことを尋ねて、彼を驚かした。
「エエ、そうでしたよ」
本田は暫くして、私だと分ったのか、眠む相な声で答えた。
「いつも洋髪に結っていたのだね」
「エエ、そうでしたよ」
「近眼鏡をかけていたのだね」
「エエ、そうですよ」
「金歯を入れていたのだね」
「エエ、そうですよ」
「歯が悪かったのだね。そして、よく頬に歯痛止めの貼り薬をしていたと云うじゃないか」
「よく知ってますね、春泥の細君に逢ったのですか」