Classiques japonais avec furigana
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おんぼうぼり
隠亡堀
国枝 史郎
Lisez 隠亡堀 (おんぼうぼり) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 455 caractères · 10 écrans
で、伊右衛門は上げてみた。
一尾の鯰が掛かっていた。
ポンと畚へ投げ込んだ。
「ところで何うだい、お前の方は? お袖と仲宜く暮らしているのか?」
伊右衛門は斯う云って覗き込んだ。
「それがね、洵に変梃なんで」
直助は此処で薄笑いをした。
二
「変梃だって? 何う変なんだ?」
伊右衛門は興味を持ったらしい。
「それ、お前さんもご存知の通り、お袖の許婚は佐藤与茂七、其奴を私が叩っ切り、敵の目付かる其うち中、俺等の所へ来るがいいと、斯う云ってお袖を連れて来たんでしょう。ところがお袖奴真に受けて、許婚の敵の知れる迄は、私に肌身を許さないそうで」
「やれやれ其奴はお気の毒だ。お前にしては気が長いな」
「短くしてえんだが成りそうもねえ」
「構うものか、腕力でやるさ」
「其奴だけは何うも出来そうもねえ」
「そりゃあ然うだろう、惚れてるからな」嘲笑うように鼻を鳴らした。「女を占めようと思ったら、決して此方で惚れちゃあ不可ねえ」
「お談義かね、面白くもねえ」直助はフイと横を向いた。「惚れねえ前なら其お談義、役に立つかもしれねえが、今の私にゃあ役立たねえね」
「じゃあ最う一つ手段がある」