Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
がん
雁
Lisez 雁 (がん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 73 950 caractères · 147 écrans
充たされないものかと商量したりする程の、緻密な思慮は持っていなかった。
突然塀の外に、かちかちと拍子木を打つ音がした。続いて「へい、何か一枚御贔屓様を」と云った。二階にしていた三味線の音が止まって、女中が手摩に掴まって何か言っている。下では、「へい、さようなら成田屋の河内山と音羽屋の直侍を一つ、最初は河内山」と云って、声色を使いはじめた。
銚子を換えに来ていた女中が、「おや、今晩のは本当のでございます」と云った。
末造には分からなかった。「本当のだの、嘘のだのと云って、色々ありますかい」
「いえ、近頃は大学の学生さんが遣ってお廻りになります」
「失っ張鳴物入で」
「ええ。支度から何からそっくりでございます。でもお声で分かります」
「そんなら極まった人ですね」
「ええ。お一人しか、なさる方はございません」女中は笑っている。
「姉えさん、知っているのだね」
「こちらへもちょいちょいいらっしゃった方だもんですから」
爺いさんが傍から云った。「学生さんにも、御器用な方があるものですね」
女中は黙っていた。
末造が妙に笑った。「どうせそんなのは、学校では出来ない学生なのですよ」