Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めすについて
雌に就いて
Lisez 雌に就いて (めすについて) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 994 caractères · 11 écrans
いろはにほへと、一字一字原稿用紙に書き記す。」
「女は、おさきに、とうしろで挨拶をする。」
「ちりぬるをわか、と書いて、ゑひもせす、と書く。それから、原稿用紙を破る。」
「いよいよ、気ちがいじみて来たね。」
「仕方がないよ。」
「まだ寝ないのか?」
「風呂場へ行く。」
「すこし寒くなって来たからね。」
「それどころじゃない。軽い惑乱がはじまっているのだ。お湯に一時間くらい、阿呆みたいにつかっている。風呂から這い出るころには、ぼっとして、幽霊だ。部屋へ帰って来ると、女は、もう寝ている。枕もとに行燈の電気スタンドがついている。」
「女は、もう、ねむっているのか?」
「ねむっていない。目を、はっきりと、あいている。顔が蒼い。口をひきしめて、天井を見つめている。僕は、ねむり薬を呑んで、床へはいる。」
「女の?」
「そうじゃない。――寝てから五分くらいたって、僕は、そっと起きる。いや、むっくり起きあがる。」
「涙ぐんでいる。」
「いや、怒っている。立ったままで、ちらと女のほうを見る。女は蒲団の中でからだをかたくする。僕はその様を見て、なんの不足もなくなった。トランクから荷風の冷笑という本を取り出し、また床の中へはいる。