Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lisez 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 106 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

その上、内しょの金が五百円ある。それはどれほど兵六さんを気強くさせているかしれない。彼は時々その五百円札をとり出しては、その青っぽい紙ぎれにながめいり、得意のひとり言をいう。

――食わにゃ米一升、使わにゃかね一両か。昔の人はうまいこというわい。まったく、食わにゃ米は一升でたくさんだ。銭じゃとて、使わにゃ、きょうび五百円一枚で結構。ただこいつがいつまでもあるもんならなあ――

しかし翌日になると、その五百円を使うつもりで、彼はおそい朝めしをすますなり、出かけた。出がけにおせいは、

「そんな顔してどこへ。」

「医者だ。」

「医者? お金は?」

「中野へいって、お安さんにたのむんだよ、医者を。」

「そんな顔して、中野まで恥さらしにいくのオ。」

その顔のために、今日は家にいてもらいたいらしい口ぶりだった。近所の手前もその方がよかった。しかし兵六さんにすると、そういうおせいのそばにいることがつらいのだ。それにくじいた足はやはりいたむ。思いきってこうやくだけははらねばと思う。中野へいったような顔をして五百円を薬屋でくずして、久しぶりに映画でもみて、みんなのねたころもどってくる。