Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おしゃく

雛妓

岡本 かの子

Lisez 雛妓 (おしゃく) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 482 caractères · 53 écrans

Aozora Bunko

「もっとも、これ、園遊会の貰いものなんだけれど、お土産に融通しちまうわ」

そういって、まずわたくしの笑いを誘い出した。わたくしが、まあ綺麗ねと言って例の女の癖の雛妓の着物の袖を手に取ってうち見返す間に雛妓はきょう、ここから直ぐ斜裏のK――伯爵家に園遊会があって、その家へ出入りの谷中住いの画家に頼まれて、姐さん株や同僚七八名と手伝いに行ったことを述べ、帰りにその門前で訊くと奥さまの家はすぐ近くだというので、急に来たくなり、仲間に訣れて寄ったのだと話した。

「夏の最中の園遊会なんて野暮でしょう。けど、何かの記念日なんだから仕方ないんですって。幹事さんの中には冬のモーニングを着て、汗だくでふうふう言いながらビールを飲んでた方もあったわ」

お雛妓らしい観察を縷々述べ始めた。わたくしがかの女に何か御馳走の望みはないかと訊くと、

「では、あの、ざくざく掻いた氷水を。ただ水というのよ。もし、ご近所にあったら、ほんとに済みません」

と俄に小心になってねだった。

わたくしの実家の父が歿くなってから四月は経つ。わたくしのこころは、葬儀以後、三十五日、四十九日、百ヶ日と過ぐるにつれ、薄らぐともなく歎きは薄らいで行った。