Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのやどり

雪の宿り

神西 清

Lisez 雪の宿り (ゆきのやどり) de 神西 清 (じんざいきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 995 caractères · 51 écrans

Aozora Bunko

その横顔を、ああ松王様だとわたくしが見てとりましたとき、こちらを向いてにっこりお笑いになりました。残兵どもは一たん引きました。その隙に「姫は」とお尋ねになります。「お落し申しました。」「やあ、また仕損じたか」と、まるで人ごとのような平気な仰しゃりようをなさいます。つづけて、「細川の手の者が隣の羅刹谷に忍んでいる。ここは間もなく戦場になるぞ。そなたも早く落ちたがよい。俺も今度こそは安心して近江へ往く。これを取って置け」と小柄をわたくしの掌に押しつけられたなり、そこへ迫って参りました新手の雑兵数人には眼もくれず、のそりと経蔵のかげへ消えてゆかれました。それなりわたくしはあの方にはお目にかからないのでございます。いいえ、今度こそは近江へ行かれたに違いございません。これもわたくしのほんの虫の知らせではありますけれど、これがまた奇妙に当るのでございますよ。

そののちのことは最早や申上げるほどの事もございますまい。その月の十九日には、関白さまは東の御方、鶴姫さまともども、奈良にお下りになりました。そして月の変りますと早々、これもあなた様よく御存じのとおり、姫君はおん齢十七を以て御落飾、法華寺の尼公にお直り遊ばしたのでございます。