Classiques japonais avec furigana
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せつれいぞくき
雪霊続記
泉 鏡花
Lisez 雪霊続記 (せつれいぞくき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 120 caractères · 13 écrans
門も背戸も紫陽花で包まれていました。――私の顔の色も同じだったろうと思う、手も青い。
何より、嫌な、可恐い雷が鳴ったのです。たださえ破れようとする心臓に、動悸は、破障子の煽るようで、震える手に飲む水の、水より前に無数の蚊が、目、口、鼻へ飛込んだのであります。
その時の苦しさ。――今も。
三
白い梢の青い火は、また中空の渦を映し出す――とぐろを巻き、尾を垂れて、海原のそれと同じです。いや、それよりも、峠で尾根に近かった、あの可恐い雲の峰にそっくりであります。
この上、雷。
大雷は雪国の、こんな時に起ります。
死力を籠めて、起上ろうとすると、その渦が、風で、ごうと巻いて、捲きながら乱るると見れば、計知られぬ高さから颯と大滝を揺落すように、泡沫とも、しぶきとも、粉とも、灰とも、針とも分かず、降埋める。
「あっ。」
私はまた倒れました。
怪火に映る、その大滝の雪は、目の前なる、ズツンと重い、大な山の頂から一雪崩れに落ちて来るようにも見えました。
引挫がれた。
苦痛の顔の、醜さを隠そうと、裏も表も同じ雪の、厚く、重い、外套の袖を被ると、また青い火の影に、紫陽花の花に包まれますようで、且つ白羽二重の裏に薄萌黄がすッと透るようでした。