Classiques japonais avec furigana
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ろはんせんせいとかがく
露伴先生と科学
中谷 宇吉郎
Lisez 露伴先生と科学 (ろはんせんせいとかがく) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 198 caractères · 15 écrans
煤の粉については、支那では昔からいろいろな研究があり、灼く時の温度については考えた人があるが、圧力の方はまだ考えた人がないという話であった。
名墨の墨色の美しさは、決して通人だけにわかるような主観的なものではなく、誰にも一目でわかるくらいはっきりしたものである。それで名墨と駄墨との差は、当然物理的にきめられるはずである。膠の方は一寸むつかしいが、煤の粉の方はすぐわかりそうである。炭素という元素は、木炭のような無定形のものにも、石墨のような結晶形のものにも、また金剛石のような純粋な結晶にもなり得るもので、その成因の差は温度と特に圧力とによって決まるものである。墨色の差は煤の粉の性質によって、少なくもその一部は説明されそうである。そういうことを実はぼんやり考えていたところだったので、圧力の方はまだ考えた人がないという話をきいて一寸驚いた。或いは先生のこの一言をきいて、今までぼんやり考えていたことが、私の頭の中で急に結晶したのかもしれない。先生は科学者として考うべき灸所もちゃんと押え得る人であった。
雷の話も出た。雷の方も実は前に理研にいた頃一寸手をつけたことがあり、そのうちに本にまとめようかと心づもりをしていた頃である。