Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 888 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

だろう。むしろ、妻子などはなかったと考えるほうが、彼のためには仕合せだったと、私は心の中で呟いた。

「旦那の話を聞いていると昔を思いだすだよ」と鉄さんは云った、「いまじゃあそんな言葉は使う者もいねえし、いろんなうちがつぶれたりな、おらのちゃんも死んだし、大勢死んだ者があるしよ、浦粕もすっかり変っちまっただよ」

「長か、長は四十二になるだ」と鉄さんは私の問いに答えた、「まる年で四十一か、七年も兵隊に取られたでねえ」

私がおおかんけ(大勧化)のことを云うと、鉄さんは思いだし笑いをした。

「そうだ」と鉄さんは云った、「おーかんけ おーかんけ おいなりさんの おーかんけ おぞーにと おあげ おあげの段からおっこって あーかい***ーすりむいた」うんぬんと云ったあと、寄進をした家には、「しょーばい はんじょ」と囃し、寄進しない家があると「くれねーと おいなりさんがなくよ ひっくりけっちゃめっかっこ もっくりけっちゃべっかっこ……って云っただよ」

私は頷いたが、それは鉄なあこの時代で、長の時代には「くれねーと、――」以下の囃はしなかった、ということを思い出した。――このあいだに、店の女の子が大皿へフライを盛りあげたのを持って来た。