Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lisez 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 593 caractères · 325 écrans
意味もなくげらげら笑って、畜生! 畜生! と力んでいる赤井をきっとした眼で睨みつけた。鼻の大きな男は、
「どうして? いいじゃないですか。それとも怖い? なるほど君は未だ若いからね」
若いと言われたことが豹一の自尊心をかなり傷つけた。
「怖いことはない!」
「じゃ、ついて来給え」
渋々承知した。正宗ホールを出て、小路を抜けると、四条通を円山公園の方へ歩いて行った。右側の有名な茶屋のある角を折れて、格子戸のある家へ四人であがった。芸者が四人来た。そのうちの大柄の女が豹一を見て、「まあ、可愛い坊ん坊んやこと。おうちどこどすか?」と言った。豹一は横を向いたまま、
「大阪だ」とにがにがしく答えた。体を動かすと、また吐きそうだったからである。
「まあ大阪どっか。あてかて大阪で生れたんどっせ。さあ唄っておみやすな」
そして芸者は、テナモンヤナイカナイカ、道頓堀よ――と唄った。むろん豹一は唄わなかった。
一時間ほどして、ふらふらと赤井と一緒にそこを出た。残っている二人に挨拶も出来ぬほど意識が朦朧としていた。南座の横のうどん屋へはいって、鯡うどんを食べた。なんとなく、タヌキということが想い出された。