Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lisez 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 438 caractères · 238 écrans

Aozora Bunko

彼は第一線を前にして突っ立ちながら、なにか大きな叫び声をあげると、今まで眠っていたようなうわばみは眼をひからせて頭をあげた。と思うと、たちまちに火焔のような舌を吐きながら、蛇吉の方へ向ってざらざらと走りかかって来たが、第一線も第二線もなんの障碍をなさないらしく、敵はまっしぐらにそれを乗り越えて来た。第三線もまた破られた。

蛇吉は先度のように呪文を唱えなかった。股引も脱がなかつた。彼は持っている手斧をふりあげて正面から敵の真っ向を撃った。その狙いは狂わなかったが、敵はこの一と撃ちに弱らないらしく、その強い尾を働かせて彼の左の足から腰へ、腰から胸へと巻きついて、人の顔と蛇の首とが摺れ合うほどに向い合った。もうこうなっては組討のほかはない。蛇吉は手斧をなげ捨てて、両手で力まかせに蛇の喉首を絞めつけると、敵も満身の力をこめて彼のからだを締め付けた。

この怖ろしい格闘を諸人は息をのんで見物していると、敵の急所を掴んでいるだけに、この闘いは蛇吉の方が有利であった。さすがの大蛇も喉の骨を挫かれて、次第々々に弱って来た。

「こいつの尻尾を斬ってくれ。」と、蛇吉は呶鳴った。