Classiques japonais avec furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lisez 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 438 caractères · 238 écrans
」
「そうすると、かの木馬も一緒に焼けてしまったのですね。」
「誰もまあそう思っていたのです。したがって、そのゆくえを詮議する者もなかったのですが、それからおよそ四十年ほども過ぎて、日露戦争の終った後のことです。この白河出身の者で、今は南京に雑貨店を開いている堀井という男が、なにかの商売用で長江をさかのぼって蜀へゆくと、成都の城外――と言っても、六、七里も離れた村だそうですが、その寂しい村の川のほとりに龍王廟というのがある。その古い廟の前に大きい柳が立っていて、柳の下に木馬が据えてある。木馬はともかくも、その馬の手綱を控えている少年の木像が確かに日本人に相違ないので、堀井も不思議に思いました。
もちろん堀井は明治以後に生れた男で、龍馬の池の木像も木馬も見たことはないのですが、かねて話に聴いているものによく似ているばかりか、その木像の顔容や風俗が日本の少年であるということが、大いに彼の注意をひきました。土地の者についていろいろ聞合せてみましたが、いつの頃にどうして持って来たのか一向にわからない。
結局、不得要領で帰って来たそうですが、どうしてもそれは日本のものに相違ないと堀井は主張していました。