Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひじょうのあい
非情の愛
豊島 与志雄
Lisez 非情の愛 (ひじょうのあい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 831 caractères · 24 écrans
」
「それは残る。」
「それをどうするんだ。」
「非情で対抗する。」
「非情は信念であり理想であることは分るが、然し、それは僕たちの間だけのことで、一般にはなかなか通用しない。僕自身にしても、非情に徹しられないことがあるからね。」
「それは、僕にもある。」
そして彼等は、ふしぎにも、悲しそうでなく、却って気楽そうに、顔を見合って微笑した。然しそれは、私の理解する限りでは、彼等が不真面目だったというわけではなく、互いの深い信頼から来たものだったらしい。
波多野は微笑をやめて言った。
「それで……大丈夫かね。」
「あのことか、心配いらない。少しは経験もある。然し、酒はもうやめよう。酔っていては都合がわるかろう。」
そして彼等は、薄暗い狭い階段をのぼって、二階の室におちつき、そこで、簡単な夕食をすませて、碁など打ちはじめた。
ところで、この二階は、六畳と長四畳との二間続きになっていたのが、階下の酒場とは別種のもので、その建物全部の所有主となってる波多野洋介の、謂わば私室だった。まだごく簡素な調度品が備えてあるきりで、どうにか書斎とも応接室ともつかない恰好だけを持っていた。