Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lisez 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 435 caractères · 27 écrans
金蔵の番人まで召しつれていらしたわけではなかろうが、そこにやはり油断がある。腰掛場へあつまって下げられた酒肴をいただいていい機嫌になっているあいだに、神田川からくぐって来てゆるんだ土台を突きくずし、七十六箇の千両箱をひとつ残さず綺麗さっぱり持って行ってしまったんです」
「ほほう、なかなかやるな」
「褒めちゃいけません」
「それにしても、あんな重いものを抱えて泳げるわけのものじゃないが」
「なアに、泳いで行ったやつは綱を千両箱に結えつけるだけ。神田川へ船を浮べているほうの組が、こいつをせっせと手ぐり寄せる。わけも造作もありゃアしません」
「なるほど、法にかなっている。それから、どうした」
「ところで、酒井さまのほうもそう抜かってばかりはいなかった。半刻ごとに金蔵の覗き穴から中をのぞいて見ることになっていたもンだから、間もなく盗まれたということがわかった。つまり、運がよかったんです」
「運がいいとはなんのことだ」
「近来になく手配りが早かった。七十六の千両箱を一艘や二艘の小船につめるわけのもンじゃない。これだけのものを一艘の船につむなら、房州の石船にきまったようなもンです。