Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lisez 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 879 caractères · 242 écrans

Aozora Bunko

目をとじ耳をふさいで一目散に逃げ去りたいのに、その心をさておいて何物かネチネチ尻をまくる妖怪じみた奴がおり、

「僕ァ貧乏なんだ。貧乏は天下に隠れもない三枝さんだからな。僕ァ芸術家なんだ。僕はエレエんだ。痩せても枯れても貧乏は仕方がねえ」

何のことだか、わけが分らない。けれども腰がぬけ、すくんだ感じで逃げるに逃げられず、やぶれかぶれ意外千万なことを喚きたてる。

「そうね、死ななきゃ分らないわね」

マダムは入口の扉にもたれる。ちょうど廊下へ一人の男がタオルと石鹸もって出てくる、この男も例の男の一人で、

「え? 死ぬ?」

「死ななきゃ治らないと言うのよ」

「ああ、バの字ですか」

「そう」

マダムは頷き

「死ななきゃ分らない、か。梶さん、今晩、のみに連れてってくれない?」

男と肩を並べて行ってしまった。

数日すぎて女房は戻った。

何よりも仕事をしていないのが、せつないのだ。それがもとで、こういうことにもなる。ただ仕事あるのみ。だが、どうして仕事ができないのか。女も酒も、夢の夢、幻の幻、何物でもない。

そこで彼は後輩の栗栖按吉に手紙を書いて、当分女房子供と別居して創作に没頭したいから君の下宿に恰好な部屋はないか、至急返事まつ、あいにく部屋がなかったから、そのむね返事を送ると、もとより庄吉は一時その気になっただけ、女房と別れて一時