Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かぜにのってくるコロポックル

風に乗って来るコロポックル

宮本 百合子

Lisez 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 458 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

小屋の中じゅう、どこへ行っても、何ものかが満ち蔓(はびこ)っていて、自分を拒絶したり、抵抗したりするような心持のするイレンカトムは、じっと一つ処に落付いてはいられない。

知らず知らず、ブツブツと口小言を云いながら、あちらこちらと歩き廻る。

そして歩き廻りながら、眠りもしないで、こんなことをしている自分は普通でないなと思って来る。

一体どうしてこうなのだろう?

彼は、炉の火を掻き起して、明るくしたり、パタパタと何かを払うように耳を叩いて見たりする。けれども、益々、心持は落付かない。どうもおかしい。このとき、彼の心には、明かに、「夜」に対する伝説的恐怖が目覚めて来るのである。

怪鳥が人間の魂を狙って飛び廻るとき、死人が蘇返って動き出すとき、悪霊、死霊が跳梁するとき、それが、彼の子供のときから頭に滲(し)み込んでいる夜の観念である。

暗い夜に外を歩くと、化物に出会って、逃げる間もなく殺されるぞと云われ云われした彼は、今もなお、囲い一重外の夜、闇に対して、深い恐怖と神秘とを抱いている。

その遺伝的な恐怖が湧き上ると、彼は居堪れないように成って、神々に祷りをあげる。