Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばれいしょのはな
馬鈴薯の花
亀井 勝一郎
Lisez 馬鈴薯の花 (ばれいしょのはな) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 697 caractères · 4 écrans
砂漠のような地帯である。それでもどうやら開拓して、馬鈴薯やとうもろこしを植えているのが車窓からみえる。人家もわずかながら散在している。函館へ向う汽車の窓の右側には、駒ヶ岳のそそり立つ赤い肌の断崖がみえ、左側には無限にひろがった太平洋の怒濤が眺められる。
こういうところに住んでみたらどうだろうか。淋しさに堪えられるか。尤も汽車へ乗るとわずかの時間で函館へ行けるが、こうした土地で、きびしい冬を迎えたり、また星のない深い夜など、人々はどんな気持ちで生きているだろうか。住んでいる人は、それほど感じないかもしれないが、ふと通りすぎる私などには、きもをつぶすような、寂莫たる土地である。しかし私は心ひかれた。
美しい風景に対して、もし醜い風景があるとすれば、それは美しい風景を汚している風景であろう。観光地帯として、もてはやされるにつれて、美しい風景も醜く変貌するようである。ところでこの太平洋岸側の駒ヶ岳など、何と名づくべきだろうか。美しいと言うのではない。むろん観光客などひとりもなく、そういう汚れは全然ない。
つまり美しいというには、あまりにすさまじく、荒涼として、どぎもをぬくような面魂をもっているということだ。