Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たかしまいし

高島異誌

国枝 史郎

Lisez 高島異誌 (たかしまいし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 007 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

「其方を待ち兼ねて居られるのじゃ」

「ご案内下されい! 妻子の許まで!」

純八は斯う云うと身を躍らせて、洞穴の中へ飛び込んだ。

「此方じゃ、此方じゃ」

と、老僧は、純八の前に立ち乍ら、足を早めて走り出した。其後の事は「異譚深山桜」に、次のような文章で記されてある。

「……白光仄々たる一条の路を、僧に従つて走り行けば、十町余にして一天地に出づ。天蒼々と快く晴れ、春日猗々として風暖く、河辺、山傍、又田野には、奇花芳草欝乎として開き、風景秀麗画図の如し。行く行く一座の高楼を見る。巍々たる楼門、虹の如き長廊、噴泉玉池珍禽異獣、唱歌の声は天上より起こり、合唱の音は地上より湧く、忽ち、美人と童子とありて、遙かに望見して一揖す。即ち、笹千代と吉丸のみ。云々(下略)」

「あっ」

と純八は夫れを見ると、喜びの声を上げ乍ら、二人の居る方へ走り出した。笹千代も吉丸も夫れと見ると、是も喜んで走り寄って来たが、俄に足を止めて指さした。そして大声で斯う叫んだ。

「お逃げなさい! お逃げなさい!」と。

純八はハッと気が付いて、背後の方を振り返った。

見よ! 背後には僧は居ずに、皓々と輝く一匹の巨蟒、数間に延びたる蛇体の一部に、可笑くも墨染の法衣を纏い、純八を目掛けて一文字に、矢のように飛び掛かって来るではないか!