Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Lisez 高野聖 (げかしつ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 264 caractères · 104 écrans

Aozora Bunko

もちろんおまえのお母さんは、おれがなんだということも知らず、弟もやっぱり知らない。おれもまた、口へ出したことはないが、心では、心では、実におりゃもう、お香、おまえはその思い遣りがあるだろう。巡査というものを知ってるから。婚礼の席に連なったときや、明け暮れそのなかのいいのを見ていたおれは、ええ、これ、どんな気がしたとおまえは思う」

という声濁りて、痘痕の充てる頬骨高き老顔の酒気を帯びたるに、一眼の盲いたるがいとものすごきものとなりて、拉ぐばかり力を籠めて、お香の肩を掴み動かし、

「いまだに忘れない。どうしてもその残念さが消え失せない。そのためにおれはもうすべての事業を打ち棄てた。名誉も棄てた。家も棄てた。つまりおまえの母親が、おれの生涯の幸福と、希望とをみな奪ったものだ。おれはもう世の中に生きてる望みはなくなったが、ただ何とぞしてしかえしがしたかった、といって寝刃を合わせるじゃあない、恋に失望したもののその苦痛というものは、およそ、どのくらいであるということを、思い知らせたいばっかりに、要らざる生命をながらえたが、慕い合って望みが合うた、おまえの両親に対しては、どうしてもその味を知らせよう手段がなかった。