Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きぶつどうじけん

鬼仏洞事件

海野 十三

Lisez 鬼仏洞事件 (きぶつどうじけん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 468 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

そのうちに、例の時刻が近づいた。南京豆売りの小僧が教えてくれた午後四時半が近づいたのである。三千子は、この一行に分れて、一刻も早く、例の第三十九号室へいってみなければ間に合わないかもしれないと思った。そこで彼女は、一行の前をすりぬけ、かねて勉強しておいた洞内の案内図を脳裏に思い浮べ、最短通路を通って、第三十九号室へとびこんだのであった。

第三十九号室! そこは、どんな鬼仏像が飾りつけてある部屋だったろうか。

そこは、案外平凡な部屋に見えた。

室は、まるで鰻の寝床のように、いやに細長かった。庭には、桃の木が植えられ、桃の実が、枝もたわわになっている。本堂から続いているらしい美しい朱と緑との欄干をもった廻廊が、左手から中央へ向かってずーっと伸びて来ている。中央には階段があって、終っている。その階段の下に、顔が水牛になっている身体の大きな僧形の像が、片足をあげ、長い青竜刀を今横に払ったばかりだという恰好をして、正面を切っているのであった。人形はそれ一つであった。この人形の前を通りぬけると、すぐその向うに次の部屋へいく入口が見えていた。

(この室で、やがて誰か死ぬって、本当かしら)