Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まと
魔都
久生 十蘭
Lisez 魔都 (まと) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 293 999 caractères · 578 écrans
真名古警視が検察の事務を執るに当っては、その冷執陰険なることはユウゴオの「噫無情」に登場するかのジャヴェル探偵にもゆめゆめ劣らぬ事はすでに述べた。この人物が破邪検非にどれほど執心するか、その辛辣さは警視庁の内部ですらはなはだしく畏怖されるのをもっても知れよう。棺桶に打込むような、極めて特徴的な真名古の沈んだ足音が廊下の端に聞こえ始めると、部下も同僚も一斉に話をやめ、あたかも悪風の通り過ぎるを待つ舟子らのように、その足音が課長室の中に消えて行くのをジット目を伏せて待ちわびるのである。
今この小径を上って行く真名古課長の後姿を御覧になれば成程と頷かれるでしょう。
陰々たる雰囲気を身に纒い、墓場の大鴉のような黒いインバネスの肩を聳かし、さながら不吉な現象の如くに踏み上って行く、見よ見よその陰殺の気に道端の草どもも恐れおののいて薙ぎ伏すのである。
一体、国家の大きな行動のうちには、善悪の些末などに拘泥していられぬような場合もある。今度の場合などもまさにそれで、この皇帝殺人事件を方式通りに処理しようとすると、いろいろうるさい国際問題が起きてくる。安南の皇帝が日本に来遊されていることすらすでに厄介な問題なのに、いまその皇帝を殺人犯人として摘発するめんどうさは、誰しも想像することが出来る。