Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まと
魔都
久生 十蘭
Lisez 魔都 (まと) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 293 999 caractères · 578 écrans
「ほほう」
何気ないようすをしているが、この方も何やら油断のない構え。見るような見ないような微妙な細目で、チラチラと踏絵の顔を偸み視る。肚黒い面つきである。
「今朝、鶴子がやられたと聞いたとき、わちきは、てっきり花の仕業だと睨んだんだ……わけってえのは、ちょっとゾッとするような話なんだけど……」
踏絵はジロリと上目使いをして、
「去年の十二月初めごろ、わちきは訪問着の仕立をせかせに行くと、花はどこかへ行っていない。そのうちに帰るだろうと思って、あいつの部屋へ上り込んで待ってたけど、いつまで経っても帰らない。……くさくさして、立ち上ろうとすると、足元の畳の合せ目から、紙の端のようなものがはみ出している。……ありふれた紙じゃない。むかし、アメリカで、わちきの親父が筆まめに日記をつけていた、見覚えのある古風な三河半紙だから、今どきこんな紙があるのかと、妙になつかしくなって指でさわってみると、それがずっと畳の裏のほうへ入り込んでいる。……古風な紙だにしろ、一年も二年も前からこんな風になっているとは見えない。ついこのごろ、こんな風に敷き込まれたことがわかる……。