Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あゆをくう

鮎を食う

北大路 魯山人

Lisez 鮎を食う (あゆをくう) de 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 517 caractères · 3 écrans

Aozora Bunko

倒しとなる。火にかけて焼くとき、尾鰭につけた化粧塩が、全身の脂のために、じくじく滲んで、黄色味を呈し、化粧塩を不体裁にするようになるくらいでないと、ほんものではない。

かくて、化粧塩に、その形を整えた鮎が食膳にのぼったとする。この場合は、箸で身をむしったり、首ごと背骨を抜いて(京、大阪の人が得意に頭から骨抜きをやる癖)骨なしの姿をパクパクやったりしないで、小口かぶりに頭から順次にかぶって食うのが、真に鮎食いの食い方である。もちろん、骨は吐き出すことだ。

頭と腹の部分とを食い残し、背肉ばかりを食うようなのは言語道断で、せっかくの鮎も到底成仏しきれない。

なお、ついでだから言うが、岐阜のような鮎どころでは、客の顔をみると、待ってましたとばかり、その鮎を塩焼き、魚田、照り焼き、煮びたし、雑炊、フライと、無闇に料理の建前を変えて、鮎びたりにさす悪風がある。これは知恵のない話であって、慎むべきことだ。ことに新鮮な鮎をフライに揚げるなどは、愚の骨頂と言うべきだ。

(昭和六年)