Classiques japonais avec furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
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煙草船や藍玉船が、白い帆を張って、ゆるゆると吉野川を辷ってゆく。
その底には、もう若鮎がチラチラ光っているだろう。南国らしい黄花の畑、変化に富んだ両岸の風景もかくべつだが、何よりはその大河の、砂と水のきれいなことといったらない。
きれいなといえば、水も水だが、アレをごらん、あのかんこ船に乗って、こッちへ上ってくる御新造様は、いずれ御城下のお方だろうが、なんというお美しいことだろう――と、藍取歌を唄っていた陸の娘が見とれていた。なるほど、この山水の紅一点。今――西麻植の岸へ船をつけて、スラリと、そこへ下りた美人がある。
阿波にはたくさんに美人がいるが、あの豊麗な、肉感的な、南国色の娘たちとは、これはまた、クッキリと趣をかえた美人。
太夫鹿の子の腰帯に、裾を上げて花結びにタラリと垂れ、柳に衣裳をかけたようななよやかさは、東風にもたえまいと思われるほど、細ッそりとした形である。
「宅助や……」と、うしろを向いて、
「うっとうしいから、お前、これを持っていておくれでないか」
紅緒の菅笠を下郎に渡すと、うけたお供の仲間は、それを自分の笠に重ねて、