Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とびとかきととり

鳶と柿と鶏

豊島 与志雄

Lisez 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 493 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

そこの、藪影の草の上で、日向ぼっこをしてるかのように蹲って、雑誌など見てる李を、吉村はよく見かけた。

二度目に逢った時、李はにこにこして、吉村の問いに答えるのだった。

「鳶を捕るんです。」

「え、鳶を……捕れるかね。」

「捕れるつもりです。」

彼が説明するところによると、餌をつけておいて、小鳥がそれをつっつけば、上からぱっと網がかぶさる、あの仕掛の少し大きいのを、向うの畑のなかに設けてある。但し相手が鳶だから、うまく被さるかどうか分らないが、その代り、丁度首をつきこむくらい網の目が大きい。餌は鰯である。

「へえー、鳶が魚を食うかね。」

「動物園の鳶は魚を食べています。」

明瞭な答えに吉村は苦笑した。

だが、鳶がかかったらすぐに馳け出していくつもりで、彼は見張りをしてるのだった。相手は猛禽だからさすがに不安なのであろうか。

「だが、鳶なんか捕って、一体なににするんだい。」

「ただ生捕ればよいのです。」

それきりで、李は空を仰いだ。

空には、鳶が二羽舞っていた。青く晴れ渡ったなかに、或は高くまた低く、二羽の鳶は寄ったり離れたりしながら、殆んど羽ばたきもせず、両翼を真直に拡げて、ただ浮び動き、舞ってるのだった。