Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とびとかきととり

鳶と柿と鶏

豊島 与志雄

Lisez 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 493 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

腹が立つよりも、そんなことを云う人……そんな風に考える人を、下等だとは思いませんか。」

「下等というより……物が分らないんだね。」

「そうです、物が分らない、人間というものが分らないんです。」

吉村はそれに同感された。殊に乞食の話は胸にこたえた。

「それにしても、すぐ東京に帰らなくったって……近いうちに僕も帰るんだし、それまで待たないか。」

「東京でまた伺います。ただ、僕は、下等なあの人が好きで、半月も損をしたのが、残念です。腹を立ててやしませんよ。けれど、なにかはっきり、意思表示をしたいです。」

「そのため、すぐここを引上げるのかね。」

「そうでもありません。意思表示をして引上げたいですが、方法を考えてるところです。」

「それよりか、逆に、鳶でも生捕って、進呈して引上げるんだね。」

「ええ、鳶……鳶はいいですね。」

ぽつりと云われたその言葉が、なんだか淋しい響きだった。李はなにか空想するような眼付で、しばらく黙りこんだ。

やがて、どうしても明朝早く東京に帰るという李を送り出して、吉村は室に寝ころびながら、いろいろ彼のことを考え、また君枝のことなどを考えてるうちに、ふと、彼等二人の間の淡い……恐らくは無意識的な情愛とでも云えるものにぶっつかった。