Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とびとかきととり

鳶と柿と鶏

豊島 与志雄

Lisez 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 493 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

黙っているようにとの合図らしかった。

だが、そのちょっとした悪戯よりも、彼女の素振りのうちに、吉村は意外なものを発見した。肺を病んで、神経質で、痩せて、骨立って、顔色も浅黒く、そればかりか、日常の言語は、へんに精神的だがぽきりと棒ぎれのようだし、挙措動作も、はきはきしてるがぎごちなく、謂わば凡てに女性的な濡いと曲線とが乏しい彼女なのだが、その時の彼女の素振りには、おのずから流れ出た子供っぽいものがあったのだった。その意外な発見に、吉村はなにか虚を衝かれた気持で笑顔も浮ばず、自然と初対面のような態度で、近づいていった。

李はすぐに紹介しはじめた。

「吉村先生です。……こちらは、上山君枝さん、たいへん文学が好きなかたで、いえ、女流文士で、私の先生です。」

「まあ、たいへんなことになりましたね。いつのまにか、女流文士で、李さんの先生で……。」

吉村が一人笑って、云った本人の君枝もまた李も笑わなかった。

君枝はナイフや皿を取寄せて、柿をすすめながら、李との初対面のことを話すのだった――

或る日、夕方、君枝が縁側に腰掛けて雑誌を見ていると、垣根の外から、ボールがはいったから取らして下さい、と子供の声がした。