Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

などとおっしゃるのでした。その松平家へ往診なさいますと、奉書の紙に大きなカステラが三切れとか、立派なお菓子が五つとか出ます。ですから松平家へ往診と聞くと、お兄さんや私はそのおみやげをあてにして喜んだものです。お兄様のことは覚えません。多分もう寄宿舎でしたろう。

松平家の正面が弘福寺です。門前に小さな花屋があって、本堂までずっと長い石畳の道でした。黄檗宗のお寺ですから、下にずっと瓦を敷き詰めて、三方腰掛になっているのは支那風なのでしょう。御墓所は本堂の右手裏にありました。江戸で亡くなった方ばかりですから多くはありませんし、存外質素なのでした。お参りしてから、お祖母様とお母様とがおっしゃいました。

「もう国へ帰ることはあるまいから、内の墓所もここにしましょう。」

「百里もある遠方では御先祖のお墓参りも出来ないから、お寺へ頼んで見ましょうね。」

「静男に異存のあるはずもないのだから。」

帰って相談した上、お寺へも頼み、お国の墓所の土を少し取寄せて、小さな標の石を建てました。私が小学へ通うようになってからは、お祖母様が散歩がてら送り迎えなどして下さる時、いつもお参りになりました。