Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
大変重宝のようですが、手製の方がしっかり出来るということでした。しかし今は薬局生が拵えますから構いません。
きょうは膏薬の原料を拵えるというと、外へ火を持出して、鍋に白蝋を入れて煮立てます。外にも何か這入るのかも知れません。十分に溶けた時に鍋を下して、さめてから器に入れて置きます。単膏という札が貼ってあります。水銀とか、芫菁とか、それぞれ薬を入れて煉るのです。よく膏薬篦といいますが、なかなかしっかり出来ていて、それでよくしないます。まあ今のナイフのようです。
或時書生さんがお勝手まで駈けて来て、真赤な顔をして、頻りに嚔をして苦しそうなので、「どうなすったの」と聞きましたら、「今薬局で芫菁を磨っているのですが、どんなに我慢をしても、あれには叶いません」とのことで、それから暫く外へ出て休んでいました。
夜お父様にお話したら、「それはその人の体質だよ。知らずに芫菁のいる木の下に休んでも、すっかり負ける人もある」とおっしゃいました。芫菁は発泡に使うのです。その書生さんは山本鼎さんのお父さんで、修業中に手伝いをしていられたのでした。
庭には立木が多いのですが、その間の何もない処を選んで、高い台の上に備前焼らしい水瓶が据えてあります。