Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

名高い粟餅屋もすぐ傍です。先に歩いていられた祖母が振返って、「きょうはよかった。気を附けていても、近頃は休んでばかりいたのに。さあ、見て行きましょう」といわれます。「何ですか」という私の手を引っぱって、程好いところに立たれます。広い店の奥まったところに、三人の職人がそれぞれ木鉢を前にしています。その木鉢は餡と胡麻と黄粉とになっているので、奥にいるのが粟餅をよいほどにちぎっては、その三つの鉢へ投げるのです。調子づいて来ると、その早いこと、小鳥の落ちるようだといいましょうか、蝶の舞うようだといいましょうか、ひらひら落ちるのがちっとも間違いません。実に熟練したものです。感じ入って見詰めていますが、近所の人には珍しくもないようです。それは見馴れているからでしょう。沢山の註文があると見えて、出来たのを入れた箱が積んであります。

「あれは園遊会などの余興にも出るのだよ。囃しにつれてするのを曲取とかいうそうだよ。まあ御覧、上手に投げるではないか」と、祖母も感心していられます。ほんとに鮮かな手際です。三人の職人もそれぞれに順よくまぶして、傍の箱に並べるのです。その出来立を買いましたら、別の人が傍の箱から取って包んでくれました。