Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

津和野に来たのはその子が九歳の時でした。

順吉は眉目が秀麗で、動作が敏捷でしたから、誰にも愛されました。養老館に入って学びましたが、十四歳になった時には、藩の子弟にも及ぶ者がないと推奨されたのです。養老館は天明年間に建てられた藩の学校で、孟子の養老の語を取って名附けたのです。後年母が話されたのに、「医者の家で人の出入も多く、子供に何か持って来てくれるのに、誰も私にという人がなくて、順さあに上げてとばかりいうので、祖母は変な顔をなすったよ。私はよほど無愛想な子だったと見えるね」とのことでした。

順吉はそれほど受けがよかったのですが、祖父の気に入りませんでした。心に誠実がなくて、時には虚偽にも類した行為も交ったので、弱い少女と妻の行末とを頼むのに不安だったらしく、ついに離別せられることになりました。それを聞いた知人で、訝かしがらぬ者はありません。祖父があまりに頑固だと誹謗する人さえあったのです。いよいよ話が極った時、祖母は五年間の親しみを思って涙を流されたそうですが、当の順吉は平気だったといいます。

しかし俊秀な少年として知られていたのですから、同藩の医吉木蘭斎というのが直ぐに迎えて養いました。