Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
いよいよ納棺という時、お蒲団の上で足を伸したら、ちっとも小さくはありません。やはりいつもつつましやかにしていられるので、誰もが小さく思ったのでした。
御遺言にまかせて、お骨は土山の常明寺の祖父のお墓の傍に納めました。年が立って兄も亡くなられ、向島の墓も都合で三鷹へ移されました。それから幾らも立たない頃に墓参に行きましたが、まだ道順もよく分らず、吉祥寺で省線を降りてから、禅林寺まで行く道の細い流の中で障子をせっせと洗っているのを、秋も深くなったと思いながら、佇んで見ていましたが、傍に小綺麗な百姓家があって、荒い生垣から中がよく見えます。ふと赤いものを見かけて覗きましたら、日当りのよい縁側に、よほどの年でしょうが、髪の真白な、顔の柔和なお婆さんが、真赤な袖無しを著て、一心に糸車を廻しています。庭には山茶花が咲き、鶏が二、三羽遊んでいて、ほんとに絵を見るようでした。そのお婆さんから、暫く忘れていた袖無しのことを思出しました。宅の母は幾度も著ないで亡くなりましたが、袖無しは戦災を免れて、今も箪笥の奥深くしまってあります。森のは焼けたように聞きました。跡のお家のはどうでしょう。