Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
著替を持って傍にいた私は、何となく片手を出しましたら、その上に置かれたのは小さな一つの根附でした。私の不審そうな顔を見て、「あまりいい夜だからぶらぶら歩いていたら露店にこんなものがあったから」といいました。「こんなことをするのではあるまいか」といいながら、ざっと水をかけで拭き取ってから、柔かな裂を出させて、頻りにこすっていました。それは鳩らしいと思いました。鳩というものは可愛らしいはずなのに、目付がどうも強いのです。簡単な彫りですから、他の鳥なのかもしれません。これが根附を集める始めでした。
私が小さくて向島に住んでいた頃、父が医者だというので、或人が、真白で親指の頭位ある小さな髑髏を持って来て見せました。あまり見事なのでよく見ましたら象牙彫の根附でした。その人のいいますのに、これは旭玉山という彫刻師の作で、この人は天保の頃浅草で生れ、初めは僧侶でしたが、象牙の彫刻を好んで種々の動物を造ったので、髑髏は最も得意なのだそうです。その技術の精巧なのに内外人を驚かし、明治になって美術学校教授となり、明治十四年の第二回博覧会へ出品した髑髏の彫刻には、明治大帝の御前で、総裁能久親王から名誉賞を授与せられたのです。