Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

けれども心を惹かれるのは子供です。それも遅生れの末の子が心配になるのでした。それに引かれて一日延ばしに日を送っていましたところ、或日の夕暮に食事の支度も出来て、糠漬を出そうと手を入れた時に、亭主は新漬がいいといい、継母は古漬がいいといういさかいが始まりました。

ああいやだ、いやだ。こんな処にいつまでもいられるものかと思ったはつは、柄杓の水を手にかけて、腰の手拭でよくも拭かずに、もう前から小風呂敷に手廻りの物を包んで置いたのを取るなり、薄暗い勝手口から出ようとしました。

「暗くなるのに、まだランプを附けないのか」という亭主の声がします。

「お母さん、お母さん」と、妹の方の子の呼ぶ声もするのを後に、はつは駈け出してしまいました。それで今でも糠漬の匂を嗅ぐと、子供の顔を思出すといいます。

小学校しか出ないでしょうに、利口な女で、裁縫もしますし、洗濯洗張物などについては、商売がら私の方で教えられることが多いのです。勝手の仕事の暇々には、庭の草取などもしてくれるので、主人も喜びますし、母はまた自分が昔畑仕事をした時のことなどを口にして、話相手にするのでした。

置いて来た子の年頃だといって、妹の方の子をかわいがってくれましたが、その子は髪が濃くて、夏向は頭の地まで汗に濡れるのです。