Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

終りの年のことです。大分重態になられてからお見舞に上りましたが、すぐ病室へ入るのを遠慮して、傍の部屋にいますと、水蜜桃の煮たのを器に入れて、嫂が廊下づたいに病室に入られました。あれが終りの頃の召上り物でしたろうか。

踊

お兄様が陸軍へお勤めになった初めの頃ですから、私は小学生で十歳位でしたろう。その頃北千住に住んでいました。千住は四宿といわれた宿場跡なのです。町は一丁目から五丁目までありますが、二丁目から三丁目までに青楼があり、大きな二階三階が立ち並んでいて、土地で羽振のよいのはその青楼の主人たちです。何かあると寄附金などを思い切ってするのでしたから。お父さんはそんな土地で開業していられたのです。初めは区医出張所といい、向島から通っていましたが、それが郡医出張所となり、末には橘井堂医院となったのです。住いは一丁目はずれの奥でしたが、看板は表通りに掛けてありました。

もと土地の旧家の住いだったという事で、かなり広い前庭には樹木も多く、裏門まで飛石が続いておりました。普通の住居を医院らしく使うのでしたから、診察室、患者溜などを取ると狭くなるので、薬局だけは掛出しにしてありました。