Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
う
鵜
山本 周五郎
Lisez 鵜 (う) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 733 caractères · 38 écrans
ようやく浮きあがると、女は水を叩いて笑った。
「ああ面白い」と女が云った、「いじめてやった、弱いのね、あなた」
「いつもそうとは限らない」
「あたしを沈められて」女は笑った、「沈めてごらんなさいよ、沈められないでしょ」
半三郎は泳いでいった。女は潜った。半三郎も潜って、水の中で眼をあいた。明るい暖色の青がひろがり、つい鼻先を一尾の魚がはしり去った。半三郎は脇へそれて浮きあがった。女は見えなかった。半三郎はまた潜った。それから用心して浮きあがって、女の浮いて来るのを待った。
女は浮いて来なかった。溺れたのでないことは慥かである、どこかへ隠れているのだろう。半三郎は待った。しかし女はいつまでも出て来なかった。
「おい」半三郎はどなった、「出て来ないか」
彼は岩の上へあがった。
四時ころまで釣りながら待ったが、女はついに姿をみせなかった。その夜、半三郎は奇妙なおちつかない感情に悩まされて、よく眠ることができなかった。眼の前にあの女のすはだかの姿がうかび、躯の膚には濡れたなめらかな女の肢躰の触感がよみがえってくる。水の中で絡みついた女の、柔軟でぴちぴちした肌の記憶が、あまりになまなましいので、幾たびも一人で赤くなったくらいであった。