Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
う
鵜
山本 周五郎
Lisez 鵜 (う) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 733 caractères · 38 écrans
半三郎は向うを見た。向うの断崖の裂け目には、実生の小松や、楓や黄櫨などが枝を伸ばし、芒が茂みをつくっていた。川下から風が吹きあげて来ると、それらがつぎつぎに、互いになにか囁きあうかのように、つぎつぎに揺れていった。芒は穂をぬき、黄櫨の葉は鮮やかに紅く染まっていた。
「あいつはぬけ作だ、段平のやつは」彼はまた爼板岩に云った、「あいつは、捜しようがねえですだよ旦那、などと云やあがった、――おい、聞いているかきょうだい、段平のぬけ作は、さだなんて名めえは幾らでもあるだ、すぐ向うの筆屋の娘もそうだし、その娘のばあさまもさだっていうだ、もしもなんなら、旦那がお順繰りに一人ひとり見て歩くがいい、おらはお顔もお姿も知らねえですだで、逆立ちしたって捜し出せやしねえだよ、……あいつはぬけ作のうえに人情のない野郎だ、そう思わないかきょうだい」
彼は手で爼板岩を叩いた。
蜂屋で逢って以来、ただこは姿をみせなかった。この土地に知人のない彼は、人に訊くこともできず、また、人に訊けることでもなかった。城下町をどれほど歩きまわったことだろう、――ただこは淵へも来ず、その姿をみせもしなかった、そうしてもう、七十日ちかい日が経っていた。