Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うかい

鵜飼

横光 利一

Lisez 鵜飼 (うかい) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 716 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

鵜のように人人の首に締った綱を握っているものは世界でただ一人である。また、このものは誰かということも、誰も知ることなど出来る筈はない。合理がこれを動かすのか、非合理がこれを動かすのかそれさえ分らぬ。ただ分っていることは、人人は神を信じるか、それとも自分の頭を信じるかという難問のうちの、一つを選ぶ能力に頼るだけである。他の文句など全く不必要なこんなときでも、まだ何とかかとか人は云い出す運動体だということ、停ったかと思うと直ちに動き出すこのルーレットが、どの人間の中にも一つずつあるという鵜飼い――およそ誰でも、自分が鵜であるか、鵜の首を握っている漁夫であるか考えるにちがいない人間の世界で、秘密はただ一つ、綱にあるということを私は見て来た。綱は漁夫でもなければ鵜でもない。その二つをつなぐものである。この綱は二本の繊維素で出来ている所謂る綱であり、この綱は捻じれたままの方向に捻じればますます強くなるだけだが、一たび逆に捻じれば直ちに断ち切れ、鵜の首を自由にしてその生命を救う仕掛けを持った綱であった。

私は物の運動というものの理想を鵜飼で初めて見たと思ったが、綱を切る切らぬの判断は、鵜を使う漁夫の手にあるのもまた知った。