Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

がこせんにん

鵞湖仙人

国枝 史郎

Lisez 鵞湖仙人 (がこせんにん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 555 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

「深い意味があるに相違無い。彼奴等の歌ったあの歌にはな。……今夜の忍び込みはもう止めだ。……ひとつ手段を変えることにしよう」

彼は竹藪からするすると出た。そうして何処ともなく立ち去った。

その翌朝のことである。

鵞湖仙人の屋敷を目掛け、一人の武士が歩いて来た。

余人ならぬ由井正雪。

玄関へ立つと案内を乞うた。

「頼もう」と武張った声である。

と、しとやかな畳障り、玄関の障子がスィーと開いた。婦人がつつましく坐っている。

それを見た正雪は「あっ」と云った。

これは驚くのが、尤である。幽霊武者に担がれて行った、昨夜の娘が坐っているのだ。

「どちらからお越しでございます?」

その婦人は朗かに云った。幽霊では無い、死骸では無い。将しく息のある人間だ。妙齢十八、九の美女である。ちゃんと三指を突いている。

「驚いたなあ」と心の中。正雪すっかり胆を潰した。しかし態度には現さず「拙者こと江戸の浪人、由井正雪と申す者、是非ご老人にお目にかかり度く、まかり出でましてございます。この段お取次ぎ下さいますよう」

「暫くお待ちを」と娘は云った。それからシトシトと奥へ這入った。間違いは無い足がある。