Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わし
鷲
岡本 綺堂
Lisez 鷲 (わし) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 476 caractères · 290 écrans
十時過ぎるころにFの駅に到着して、彼はわたしに別れを告げて去った。
改札口を出てゆく其のうしろ姿を見送ると、そこには農家の雇人らしい若者が待ち受けていて、彼の革包などを受取って、一緒に連れ立って行った。勿論、そこらに蛇らしい物の姿などは見いだされなかった。
のちに思えば、三好透という青年と私とは、これが永久の別れであった。
それから七年の月日が流れた。そのあいだに、わたしは門司の支店を去って、さらに大連の支店へ転勤することになった。又そのあいだに私は結婚をする。子供が出来る。社用が忙がしい。何やかやに取りまぎれて、先生のところへもとかく御無沙汰がちになっていたが、大正三年の十一月、社用で神戸へ戻って来たので、そのついでに上京して、久しぶりで先生の家の門をくぐった。
先生の家は依然として其の形式を改めなかったが、いつの間にか根津の大通りには電車が開通して、周囲の姿はまったく変ってしまった。それだけに、先生の家の古ぼけているのがいよいよ眼に立って、むかしなじみの桜は折りからの木枯しに枯葉をふるい落していた。その落葉の雨を払いながら玄関に立つと、見識らない女中が取次ぎに出て来たが、わたしの名を聞いて奥さんが直ぐに出て来た。