Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わし

鷲

岡本 綺堂

Lisez 鷲 (わし) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 476 caractères · 290 écrans

Aozora Bunko

「めずらしい所で逢いました。」と、女もなつかしそうに言った。「お前がたも御参詣かえ。」

「はい。」

とは言ったが、母の声はなんだか陰っているようにも聞かれた。娘もだまって俯向いていた。かれらには何かの屈託があるらしかった。

「角蔵どんはどうした。達者かえ。」と、下男の久助は訊いた。

「はい。おかげさまで無事に稼いでおります。」と、母は答えた。「あなた方はまだ御参詣はお済みになりませんか。」

「これからだ。おめえ達はもう済んだのか。」

「はい。」

「では、ここに少し待っていておくれでないか。わたし達は御参詣を済ませて来ますから。」

と、女は言った。

「はい、はい。どうぞごゆっくりと御参詣遊ばして……。」

親子二人をここに残して、御新造と下男はふたたび石だたみの道を歩んで行った。人に馴れている鳩の群れはいつまでも飛び去らずに、この親子のまえに餌をひろっていた。

この物語をなめらかに進行させる必要上、ここで登場人物四人の身もとを簡単に説明しておく必要がある。御新造と呼ばれる女は、江戸の御鉄砲方井上左太夫の組下の与力、和田弥太郎の妻のお松で、和田の屋敷は小石川の白山前町にあった。