Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わし

鷲

岡本 綺堂

Lisez 鷲 (わし) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 476 caractères · 290 écrans

Aozora Bunko

夜道をたどって来ると、図らずもかの災難に出逢ったのであった。最初から辻斬りのつもりで通行の人を待っていたのか、あるいは一時の出来ごころか、いずれにしても彼が兜をかぶっていたのが禍いのもとで、斬る方からいえば兜の天辺から真っ二つに斬ってみたいという注文であったらしい。いくら夜道でも兜などをかぶってあるくから、そんな目にも逢うのだと、勘十郎は笑いながら叱った。

それでも彼は武士である。一面には金兵衛のばかばかしさを笑いながらも、勘十郎はその兜を見たくなった。斬った者の腕前は知らないが、ともかくも鉢の天辺から撃ちおろして、兜にも人にも恙ないという以上、それは相当の冑師の作でなければならないと思ったので、勘十郎は金兵衛を内へ呼び入れて、燈火の下でその兜をあらためた。

刀剣については相当の鑑定眼を持っている彼も、兜についてはなんにも判らなかったが、それが可なりに古い物で、鉢の鍛えも決して悪くないということだけは容易に判断された。世のありさまが穏やかでなくなって、いずかたでも武具の用意や手入れに忙がしい時節であるので、勘十郎はその兜を買いたいと言い出すと、金兵衛は一も二もなく承知した。