Classiques japonais avec furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Lisez 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 083 caractères · 26 écrans
「お蔵って、鸚鵡蔵のことかい」
「ご存知で。これはこれは。へい、さようでございます、その鸚鵡蔵の、裏の竹藪の中に、安置されてあるのでございますがな、朝、昼、晩と、三度々々お斎を供えなければなりませんので。それが納谷家に伝わる、長い間の習慣で」
「地蔵様がお斎を食べるのかい?」
「さようでございます」
「嘘お云いな」
「あッハッハッハッ。……いずれは野良犬か、狐か狸か、乞食などが食べてしまうのでございましょうが、とにかくお斎は毎日綺麗になくなります」
「飯食い地蔵。……見たいな」
「およしなさいまし。あの方角へは、まずまずおいでにならない方がよろしゅうございます」
「お姉様も、昨日、そんなことを云ったよ。鸚鵡蔵の方へは行かない方がいいって」
「さようでございますとも、魔がさしますで」
行過ぎる嘉十郎のうしろ姿を見送りながら、菊弥は、鸚鵡蔵の由縁を、一番最初に自分へ話してくれた、お綱という女のことを思い出した。その女は、彼が目差す川路の郷を、目の下に見ることの出来る峠まで辿りついたので、安心し、疲労た足を休めているところへ、突然、樺の林の中から出て来て、からかった女であった。