Classiques japonais avec furigana
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さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
Lisez 麻布襍記 ――附・自選荷風百句 (さとう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 256 caractères · 77 écrans
有ればうるさく無ければ不自由とはわけ知った人の嘆息にして茶飲み友達とは叭取り交す相手の異名ならんか。
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近年官吏の収賄をなして捕縛せらるるもの数うるに遑あらず。寧国法を改正して収賄を罪せざるに如かざるものの如し。道徳は時代と共に変遷するものなり。国の法令亦改めて可ならずや。往時忠臣は二君に仕うる事を愧ず。今は然らず。駕籠は医者と病人の乗るものなり今は賤妓も自動車に乗る。学生は通学するに必ず電車に乗り小使も弁当を腰に下げずして仕出屋を呼ぶ。然れども人の見て贅沢となすものなし。良家の妻女髪結の家に至り芸者と膝を接して蜜豆を喰うも良人これを放任して怪しまず。頃日某処の高等女学校にて余の小説を朗読して生徒に聞かせたる教員ありしが校長父兄倶に之を知るも咎むるものなかりしという。皆道徳の観念の変化を窺い知らしむるものなり。
懲罰の主意とする処は改悛にあるや言うを俟たず。懲すも改めず罰するも恐れざるに至っては遂に施すに術なし。飲酒喫烟は悪習なり人これを知るも咎めず。赤垣源蔵は一升徳利に美談を残し大高源吾は煙草入の筒に風流を伝う。近時収賄事件の頻々として絶るの時なき、人をして時勢の堕落を慨嘆せしむると共に亦法令の時勢と人情とに適せざるの思を抱かしむ。