Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たそがれ

黄昏

宮本 百合子

Lisez 黄昏 (たそがれ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 500 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

元はどんな人だったか知らないけれども、先に会った時なんか、ちっとも悪そうな人には見えなかったわ」

娘の言葉は、おくめの心に、何ともいえず、なごやかな思いを萌え立たせた。

「それは、悪いというのではないがね。――」

おくめは「それで、今はどこにいるのだえ、何をしているの?」という本能的な質問を、危く口許で呑み込んだ。

のぶ子も、老境に入り、自分等を懐しそうに近づこうとする父に就て、種々話したいこともあるらしかった。が、母の心持を測り兼ね、遠慮をして彼女は、多くを話さなかった。

お互が苦労をし、それぞれ心持も変ったらしい今、二人が会ったら、どんな心持がするだろう。会わせて見たいという心持が、のぶ子の心に、強く湧起っていたのである。

二人は、各々、言葉で表わせる以上の心持を抱きながら、黙って、賑やかな電車通りに出た。裏通りでは、夜中のように鎮まり返った往来もここではまだ宵らしく、風呂帰りの番頭や小僧が、声高に喋りながら通って行く。俥の鈴の音や、自動車の警笛が、並んで立っている彼女等の背後を遽しく掠める。――

お互の顔が、あからさまに見えるところに出ては、のぶ子も話の続きをし難く見えた。